社内ドキュメント共有ツールとして Slite.com がイチ推しだと思うこれだけの理由

Slack ? いいえ Slite です。

https://slite.com


Slite はいわゆるメモアプリ、ノートアプリ、ドキュメント共有ツール、ナレッジマネジメントサービスなどに区分される SaaS プロダクトです。2018年4月に $4.4M の資金調達を発表したことでも注目が集まりました *1

プロジェクトマネジメントツール同様 *2、数多のドキュメント共有ツールを試してきた経験を踏まえ、Slite を紹介したいと思ったというモチベーションで本エントリを投稿します(今回は比較表は書きません!)。

以下、Slite のすごい点を紹介していきます。

デザインコンセプトがすごい

Landing Page からして The 良い感じ風のプロダクトであることがひしひしと伝わってきます。ひしひしと。

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https://slite.com/features より

Slite は "Slack を生産性向上に活用しているチーム" を重要なターゲットとして設定しているようです。認証も Slack に対応していますし、ドキュメント分類の最上位カテゴリに該当する区分けは Channel となっています。

左サイドの縦に Channel 一覧が並び、右サイドにエディタスペース、と一見チャットツールのようにも見えるレイアウトです。Slack と Slite を行き来するユーザーの視線をスムーズに誘導するかのような設計です(導線のくだりは適当に言っています)。

ショートカットがすごい

Slite を使ってみて最初に感じた不満は、「Markdown をそのまま書きたい」というものでした。Slite では、ハイパーリンク[[https://google.com](Google)] のように直接 Markdown として記述することができません。Slite の エディタ部分の UI は Medium っぽいといえば伝わる人には伝わるでしょうか。

しかし、Slite にはショートカット機能が搭載されています。

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キーボードショートカット一覧(一部)

Slite のショートカットの配置はすばらしく、この操作に慣れると、Raw Markdown の入力が却って苦痛に感じるほどです。

「直接 Markdown として記述することができません」と説明しましたが、先頭を # で始まると見だしレベル1になり、先頭を「1.」で始めると順序付きリストになる、というようなレベルの Markdown 記法はサポートしています。Markdown エディタとリッチエディタのハイブリッドといったところでしょうか。海外の同カテゴリツールでこの UI を採用しているものが多いように感じますが、その中でも完成度は群を抜いています。

同時編集がすごい

Slite は 単一のドキュメントに複数人で更新をかけることが可能です。Google DocsDropbox Paper のようにです。

リアルタイム性が求められる議事録共有などは Google Docs で、その他の一般ドキュメントはなんらかのドキュメント共有ツールで... といったような使い分けをしているチームもあると思います。Slite なら1つにまとめられます。

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リアルタイム編集ができることがわかり盛り上がる弊社

この機能については動画で紹介するのが分かりやすいのですが動画を録っていないのでぜひ試用してみて欲しい部分です。

/ コマンドが凄い

これは最近実装された機能です。「見出しにする」「箇条書きにする」などはショートカットですべて行えることを説明しました。ただ慣れないうちはショートカットキーを覚えられず、何度もヘルプを見てしまいます。

そんなライトユーザー向けに、先頭を / で始まるとマークアップに使えるコマンドが一覧で表示される機能が用意されています。

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/ コマンドも Slack を意識した機能なのかなと推察します。

コメントの管理がすごい

他のツールを使っていて感じる問題として、1つのドキュメントに対してコメントで延々と議論が続いてしまうというものがあります。ときには本文より長くなることも...。未解決事項なのかどうかも管理できませんし、何より最も重要なはずの本文が読みにくくなります。

Slite のコメントはサイドバーに配置されており、例えコメントが多くなったとしても視認性を下げないのが良い点です。そのうえコメントに対して Resolve フラグを立てられます。

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ドキュメントに添えられるコメント

これにより、解決していないコメントだけを一覧に残せます。

通知の指定がすごい

ドキュメント更新時に Slack 通知が送信されるといった連携機能はいまや必須と言えます。Slite の場合、通知は完全に任意で、好きなときに、なんならドキュメントを更新していなかったとしても、当該ドキュメントのリンクと本文付きの通知を Slack に送信できます。

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通知先 channel を都度選択できるので、あらかじめ設定された Slack channel にしか通知されないということも、わずかな更新の度に毎回通知が飛んでしまうといったこともありません。

逆に言えば、都度操作をしないと通知されないということでもあります。Google Docs のようにドキュメントは随時保存されていくので、書いているだけでは明確に「更新をした」というタイミングがないのも関係していると思います。

更新履歴は追うことができますし、このくらいの距離感のほうが良いのかも知れないと感じます。

いくつかの不満

褒めてばかりだったのでいくつか改善して欲しいと思っている部分について列挙します。

  • テーブル表現が辛い。テーブルに日本語入力すると挙動が怪しい。直接 Markdown で書きたくなる(結局!)
  • Markdown のインポートができない。既存の Markdown ドキュメント全体をコピペするとレイアウトが崩れて厳しい
    • 開発ロードマップには含まれている模様。Markdown としてのエクスポートは可
  • カテゴリー分類やタグ付け機能については従来の課題(階層分けとかをちゃんと管理しないと雑多になってしまう問題)を解決できていない
    • とはいえその課題を解決するために生まれたツールではない
  • デスクトップアプリがあるにはあるが、いかにも Web アプリを元に Electron でやりました感がある(違ったらごめんなさい)
    • ので結局ブラウザから使っている。iOS アプリなどもリリースされていく計画のよう

まとめ

上述したような不満はあるものの、Slite は Slack 登場以後の UI/UX をよく研究してつくられたプロダクトだなぁという印象を受けます。リアルタイム編集など、技術的にも良いトライをしているように感じられ、今後の機能拡充にも期待が持てます。

www.youtube.com

ドキュメント共有ツールをお探しの方は一度試してみるとよいのではないでしょか!

あらかじめ添えておく補足事項

Slite の他に、国内外問わず非常に多くのドキュメント共有サービス・ナレッジマネジメントツールやサービスが存在する昨今、チームにより合う機能、UI/UX を備えたツールを選定するのがベターです。そのため、Slite 以外にも素晴らしいプロダクトが存在すること、Slite が必ずしも皆さんのチームにとっての "イチ推し" とはならないことをあらかじめ申し添えておきます。

*1:Slite raises $4.4M to create a smarter internal notes tool | TechCrunch https://techcrunch.com/2018/04/23/slite-raises-4-4m-to-create-a-smarter-internal-notes-tool/

*2:スクラム向けプロジェクトマネジメントツールを比較した結果 Zube.io を推してみる https://iktakahiro.hatenablog.com/entry/2018/07/12/192213 を参照